水車小屋のウィル
著者:R.L.スティーヴンソン
翻訳:有吉新吾
解説:堀江敏幸
年月:2024年5月15日
ジャンル:小説
判型、ページ数:四六判上製、88ページ
IISBN ISBN978-4-88866-691-6 C0097 ¥1500E
価格(本体1500円+税)
スコットランドの山峡から届いた不朽の名作。『宝島』『ジキル博士とハイド氏』の作者スティーヴンソンが、幼少時代・恋情と死を題材に、「人間の真の仕合せ」をこの短編に込める。
深い、生き生きとした夢の中で
解説:堀江敏幸
ウィルの「素朴な人生哲学」は、ひとりの人間が生き、そして死ぬことの意味を、深く考えさせてくれる。若い日に出会った英国十九世紀に英語で書かれた短篇小説の香気を味わい直すために、自分の手で日本語に移そうと試みた有吉氏の姿勢に感銘を受ける。そればかりではない。「春を待たずに逝った老妻に手向ける」と扉の献辞にあるとおり、本書はその喜びを共有してくれるであろう妻の命を少しでも長くこの世に引き留めるために、いわば渾身の力でなしとげた魂の写経であり、翻訳がそのまま鎮魂歌となった美しい事例として、読者の胸に残り続けるだろう。
本書解説文より抜粋
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