故郷は帰るところにあらざりき 原発避難10年の闘い
2021年10月8日
2013年、詩集『わが涙滂々—原発にふるさとを追われて』(英語版2017年)を刊行し、 各紙誌で大きく紹介された著者によるその後の闘いの記録。
本書あとがきで「未曽有の原発事故に関して、周囲に同調して口を閉ざしてはならない。 歴史を書き換えようとする勢力をおもんばかって、『声なき声』を圧殺させてしまってはならないのだ。 それがこの書を著した、唯一の理由である」と静かに厳しく言明する。
喪失―哲学のソナタ249章
2021年3月17日
イロニーでつらぬかれた実験的哲学小説
本書は、ありふれた日常、ありふれた世相を題材に、著者自らの強烈な喪失感にもとづき、人間の弱さが強さをこえ、権力的になれない人間が権力的強さをこえ生きていく方途を、カフカと後期フッサールへの全面的共感に根ざし、存在論をバネにして「後ろ向きに生きる」意味を問う。
グローバル化の中の国際経済
2020年11月9日
ポスト・コロナの米国リスクを視点に
本書は「グローバリゼーション」の用語から説き起こし、この言葉が席巻している今日、その本質と実態、さらにリスクを、第二次大戦以降の「ヒト、モノ、カネ」の動きにさかのぼって検討し、コロナ禍にあえぐなかで、国際経済とグローバリゼーション、とりわけ基軸通貨国であるアメリカが抱える経済リスクとその影響を、学生を対象に平易に書き下ろす。